「甲子園に出てもプロなんてまったく考えてなかった」 元広島カープのレジェンド・高橋慶彦が語った自身の高校時代

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試合の前日にこっくりさんで結果を予想……

 
慶彦さんにはこれまで何度かインタビューする機会があったが、高校時代の話はほとんど聞いてこなかった。情報として知っているのは城西高校のエース(兼4番打者)として甲子園に出場。本塁突入時にタッチにきたキャッチャーをジャンプしてかわそうとしたそのバネを見て、伝説の名スカウトの木庭教さんが獲得を決意したエピソードくらい。一体、どんな高校生だったのか?調べて見ると意外な情報が次々に出てきた。「恋スポLIVE」配信前に少しお時間をいただいてその真偽を確かめた。(聞き手&文・グレート巨砲)

 
——城西高校って慶彦さんの時に甲子園に初出場したんですけど、かなり強化に力をいれてたんですか?高橋さんのひとつ上の学年の小泉(泰重)さんて方もプロに行ってますし。

高橋慶彦: 小泉さんな。左打ちでいいバッターだったよ。確かテストで巨人に行ったんだよな。それで、強化の話だけど学校としてそれなりに力を入れてたと思うよ。俺らの頃も授業は午前中だけで毎日、昼から成増のグラウンドに行って練習してたから。でも、本気で甲子園を狙っていた学校かというと微妙だよね。部員も最初は100人くらいいるけど、いわゆるリトルの有名どころは一人もいなかったから。当時は野球をやってる子供が多くて、数は集まるから、それを鍛えてうまくいけば……みたいな感じだったのかな。実際、俺も第一希望の高校じゃなかったしな。第一希望は早実だよ。やっぱり甲子園には行きたかったから、どこだったら甲子園に行けるかって考えたら、やっぱり早実だなって。ただ、甲子園に行くなら早実とは考えたけど、早実に合格するために勉強しなきゃいけないとは考えなかったんだよ。一応、受験したけど……英語なんて最初がヒアリングの問題なんだけど、何言ってるのか意味がわからなかったもん(笑)。それでどうしようって思ってたら、中学の先輩に誘われて(城西に)行ったんだよ。

——なるほど。実際、甲子園が決まった時の校長先生の談話も「初出場……もう、ビックリしちゃって。どうしていいのか……」なんですよね。当時の記事を見ても下馬評は決して高くなかったようですし、慶彦さんとしてもまさかって感じでしたか。

高橋慶彦: いや、もちろん目標は甲子園だったし、あと何回勝てばイケるっていうのは頭にはあったけど、ホントにイケるかも……と思ったのは俺らが準決勝(対日大一高)で勝った後、早実が負けて相手が二学(二松學舍)に決まった時かな。早実には名前負けするかもって、どこかで思ってたから。

——早実は人気も高いですしね。それで二松學舍に5対2で勝って甲子園に行くわけですがどんな気分でしたか。

高橋慶彦: 何だろう。もちろんうれしかったよ。ただ、なんか高校球児ぽい振る舞いを求められてる感じがちょっと……ね。だから入場行進も他の学校みたいに(手を高く上げて)キビキビやらずに、ちょっとスカした感じでやったら、NHKに「何だあの高校は!」ってめちゃくちゃ抗議の電話がかかってきたらしいよ(笑)。

 
——甲子園に出ることがゴールで、そこから先はあまりイメージしてなかった感じですか。ちなみに1回戦の前日にみんなでこっくりさんをして試合の結果を占ったって記事もあるんですけど。

高橋慶彦: やった、やった!あの頃、こっくりさん流行ってたんだよ。

——試合前日なのに何やってんですか。ちなみに記事によると、こっくりさんの予言どおり3-0で城西が勝ってしまったそうです。

高橋慶彦: 相手は佐世保工業な。こっくりさんの予言が当たったかどうかは覚えてないけど、調子はめちゃくちゃ良かったんだよ。初回に先頭打者にツーベースを打たれたけど、その後三者連続三振でさ。それは書いてない?

——それは書かれてないですね(笑)。ただ記事や見出しがちょっと厳しめなんですよ。新聞の見出しは「自分を疑う完封・高橋」ですし、慶彦さんのコメントも「2四球というのはぼくの最高記録でしょう。記憶にありません」なんです。さらに、コントロールの悪さを強調したかったのか、予選の決勝ではスクイズを警戒してバックネット付近まで暴投したエピソードも入れてるんですね。時代と言えばそれまでなんですけど、もうちょっと褒めてもいいんじゃないって感じなんですよ。

高橋慶彦: アハハ。俺、コントロールはよくなかったもん。

——出場34校の中で唯一の補欠がキャプテンということもあってか、そもそものトーンがちょっと変わった都会のチームみたいな取り上げ方なんですよね。3回戦で負けた時もみんな泣かなかったみたいですが。

高橋慶彦: まったく泣かなかったね。

——甲子園に出たことでプロを意識するようなことは……

高橋慶彦: ないない。大学の話はいくつか来てたから何となく大学かなぁと。プロなんてまったく考えてなかったよ。

と、ここでタイムアップ。「恋スポLIVE」の配信では、まだまだおもしろエピソードが隠されていそうな高校時代の話だけでなく、全国各地で行われている代替大会に対する慶彦さんの真っすぐな思いも語られている。興味のある人はぜひ下のURLをクリックしてほしい。最後ににわかに信じられない話だが、慶彦さん、高校時代はまったくモテなかったらしいよ。

 

高橋慶彦プロフィール

高橋慶彦(たかはし・よしひこ)
1974年、広島東洋カープに入団。スイッチヒッターの1番打者として赤ヘル軍団の黄金期を支え、盗塁王を3回獲得、ベストナインを5回受賞し、走攻守三拍子揃ったプレースタイルで活躍した。1979年の33試合連続安打は日本記録。

グレート巨砲プロフィール

グレート巨砲(ぐれーと・おおづつ)
1972年、愛媛県出身。プロ野球から麻雀・パチンコまで何でも手がけるライター。野球に関してはファン目線のインタビューに定評がある。著書に「赤ヘル偉人伝 広島カープ黄金戦士かく語りき」(白夜書房)、「麻雀あるある」(竹書房)がある。

 
◆PL学園出身 元プロ野球選手の野々垣武志のおもしろトーク
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