女優・有村架純の休日を描いた8つのストーリーが展開される「WOWOWオリジナルドラマ 有村架純の撮休」が3月20日(金・祝)からスタート。本作は“突然撮影が休みになった時、人気女優はどんな一日を過ごすのか”をテーマに、さまざまな妄想の世界を描く異色ドラマ。是枝裕和をはじめ、今泉力哉、山岸聖太、横浜聡子、津野愛といった個性派の映画監督が顔を揃え、豪華なクリエイターたちが脚本を担当している。今回は、劇中で“女優・有村架純”を演じる有村架純と、第1話「ただいまの後に」、第3話「人間ドック」を手掛けた是枝裕和監督の対談をお届け。初めて女優と監督として向かい合った現場での印象や本人役を演じる難しさ、理想的な撮休の過ごし方などを語ってもらった。
 
「それぞれのストーリーで違う”有村架純”として現れている」(是枝)
「自分の中に潜んでいるものをなるべく出すようにしました」(有村)
Q.今回の作品でタッグを組んだ感想は?
有村「是枝さんと初めてお会いしたのは、いろんな方が名曲の歌詞を朗読するという企画でした。あれは、何年前だろう。2015年ですか?」
是枝「たぶん、2015年。松本隆さんの作詞家生活四十五周年企画で、僕が松本さんの詞をいくつか選ばせていただいて、それをいろんな方に朗読してもらったんです。その時に有村さんにお願いして、横浜で収録したんだっけ?」
有村「夜の横浜でした」
是枝「街中でね。遊園地の明かりが遠くに見えるような場所でした」
有村「それから何年かの月日が経って、ようやく映像のお仕事でご一緒することができました。是枝さんの作品は日常を切り取っているというか、演じている人になるべくお芝居をさせないという印象。今回、演出を受けた時にもそれを強く感じました。もちろん、共演者の方たちとのキャッチボールで感じたものもあったと思うんですけど、その場にいるだけの私を尊重して演出してくださったことがとても印象的でした」
是枝「何も言ってないもんね。有村さんは、それが普通にできる女優さんだから。とてもやりやすかったです」

 
Q.今回の作品では、8本通して「有村架純」役に挑戦!
有村「これまでは、等身大の女性を演じる機会が多くて、それぞれの作品でどんな風に違いを出していけばいいんだろうっていうところまで行き着いてしまったんです。もう、私の中から出すものがないかもって。そんな時に、ちょっと斜めから来るような企画のお話をいただいて、もしかしたらいろんなことを試せる機会なのかもしれないと思いました。有村架純なんだけどそうではない人物像を、いいバランスでどうやって演じることができるのか。今回は8本あるので、8通りの有村架純を考えました」
Q.是枝監督は2本手掛けていますが、人物像の違いを感じましたか?
是枝「短い期間で2本撮ったんですけど、それぞれ違う“有村架純”として現れているなと思いました。それは、津野(愛)さんの現場を覗かせてもらった時も同じ。全く違うんです。それをいかにもっていう演じ分けではない形で出されているところがいいんじゃないですかね」
Q.演じる時に一番苦労した作品は?
有村「『ふた』(横浜聡子監督)が一番難しかったです。最初に撮ったんですけど、監督から『旅人のように演じてほしい』と言われて。旅人って何だろうと思いながら(笑)、いっそのこと変な人にしちゃおうかなとか、いろいろ考えて演じていました」
Q.是枝監督は、有村さんのどんな一面を引き出したいと思いましたか?
是枝「引き出すというより、ちゃんと演出をしてみて、どういう女優さんなのか捕まえてみたいなと。変化球ではなくストレートで挑んでみたいと思いました」

 
Q.実際、対面してみてどんな女優さんでしたか?
是枝「陰がある人(笑)。でも、そこは大事なところなんです。分かるよね、自分で」
有村「分かります(笑)」
是枝「性格じゃなくて芝居の中に陰がある感じ。非常に端正で佇まいもお芝居も澄んでいるんですけど、決して優等生ではない。そこが不思議なんですよね」
有村「今回の作品で言うと、自分の中に潜んでいるものをなるべく出すようにはしていました。でも、そこから離れすぎると“有村架純”ではなくなってしまうので、あまり行きすぎないように、どこかしらに自分らしさがあるような演技を意識しました」

 
Q.それぞれ印象に残っているシーンはありますか?
有村「私は『ただいまの後に』の風吹(ジュン)さんとのシーン。母娘という関係なんですけど、離れて暮らしているから見えない部分があるじゃないですか。だから久しぶりに会うとお互いに状況が変わっていたりするから、ちょっとよそよそしかったり、母の背中が小さく見えたり。私も同じようなことを感じた瞬間があったので、すごくリアルだなと思ったし、とても楽しくお芝居できたと思います」
是枝「お二人の芝居は撮っていても楽しかったですね。娘からすると、母親が違う生き物に見える瞬間があるから関係性や言葉遣いも変わってくる。そういう微妙な娘の目線の中に芽生えるイラつきや労わり、そういう感情が自分に跳ね返ってきた時の戸惑いだったり。そこをきちんと捉えたいなと思いました」
有村「個人的に、あの親子のやりとりは好きなシーンです」
是枝「親子のシーンといえば、ケンカが始まって母親の背中を見ながら文句を言って近付いていく時、画面の隅で切れる瞬間に『フンッ』ってちょっと鼻で笑ったんですよ。あれは絶妙でしたね。まるで、フレームが分かっているかのような感じで『フンッ』の最後の時には本人が画面からいなくなっている。あれは素晴らしかった」
有村「ありがとうございます(笑)」
是枝「印象に残っているという意味では『人間ドック』ですかね。エコー室の中で元カレとの距離感がどんどん変化していく。あんなに人のおへそをずっと撮っていたのは初めてかも(笑)。有村さんは見事に小悪魔な感じを出してくださって、患者から女になる瞬間を表現していると思います。おへそで(笑)」

 
Q.作品のタイトルにちなんで「理想的な撮休」をお伺いしたいのですが。
有村「いつもだったらジムや美容院に時間が空いているかどうかを聞いたりして、割と外出することが多いですね。そして、夕方ぐらいに帰ってくるパターン。理想的なということであれば、一日中映画館に入り浸りたい! 朝一番の回から最後までいろんな映画を見たいですね。あとは、その日に会える友達を探しておしゃべりしたいです」
是枝「僕はなんだかんだ言いながら結局事務所に行って編集作業をしちゃったりするんですよね。だから、事務所に来るなって言われたらどうするんでしょうかねぇ。お昼ぐらいに起きて本屋に行くかな。ネットショッピングじゃなく、本屋で本の匂いを嗅ぎながら面白そうな本を見つけて買いたいですね。昔は、あの場所に映画のコーナーがあるといった感じで売り場をイメージできる行きつけの本屋がいっぱいあったんですけど、みんななくなっちゃった。今は表参道にある青山ブックセンターぐらいかな。ちょっと寂しいですね」

ドラマ情報
『WOWOWオリジナルドラマ 有村架純の撮休』
3月20日(金・祝)よりWOWOWプライムにて放送スタート
放送日時
毎週金曜 深夜0時~(全8話/第1話無料放送 ※初回15分拡大)

©「有村架純の撮休」製作委員会

 
あらすじ
毎日忙しい日々を送っていた国民的女優・有村架純(本人)は、突然撮影が休みになったため、久しぶりに帰省。駅まで迎えに来た母・由美子(風吹ジュン)と一緒に実家へ。帰宅後、親子で他愛もない会話をしていると、架純とは面識がない青年(満島真之介)が現れるが…。(第1話)
監督
是枝裕和、今泉力哉、山岸聖太、横浜聡子、津野愛
脚本
今泉力哉、砂田麻美、篠原誠、ペヤンヌマキ、ふじきみつ彦、三浦直之、津野愛、比嘉さくら
出演
有村架純、柳楽優弥、満島真之介、伊藤沙莉、渡辺大知、笠松将、前野健太、リリー・フランキー、風吹ジュン ほか
番組公式サイト

撮影:荻窪番長 取材・文:小池貴之 タイリング(有村):瀬川結美子 ヘアメイク(有村):尾曲いずみ(STORM) 衣装協力(有村):トップス、パンツ共にMURRAL/ミューラルプレス(03-5738-1799)

※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)

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