ドラマイズム「左ききのエレン」スペシャルインタビュー 山岸エレン 役/池田エライザさん

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同名人気コミックをドラマ化した「左ききのエレン」(MBS/TBSドラマイズム)。池田エライザさんは本作で、天才アーティストのエレンを演じている。自身も左ききで、以前からエレンを演じたかったというエライザさんに作品に対する思いや、左ききで得したことや損したことを語ってもらった。さらにエライザさんといえば、auのCM「三太郎」シリーズに親ちゃんこと、親指姫役で加入したばかり。参加しての感想も合わせ紹介。

エレンの人間らしさや気持ちを感じる瞬間はたくさんあります

 
Q. エレンと高校の同級生でデザイナー・光一(神尾楓珠さん)を通し、才能に恵まれた者と才能に恵まれなかった者。両者の思いを描くという、作品のテーマについての感想は?
天才的思考ゆえ、他人から理解してもらえない苦しみを、エレンを演じていると常々感じます。「誰かに理解してもらえる幸せっていうものがあるんだな」と。エレンはモチベーションとコンディションが直結していて、自分の納得できるものが作れないこともあります。演じながら、天才という言葉でくくられがちなエレンの人間らしさや気持ちを感じる瞬間はたくさんあります。

 
Q. エレンを演じると決まったときの感想は?
原作者の方の漫画は以前からいろいろ読んでいて、「左ききのエレン」は私自身も左ききだし、エライザとエレンって語感がちょっと似ていませんか?(笑)勝手に親近感を抱いていました。もし実写化するならエレンを演じたいと思いましたが、当時はいまに比べれば自分に自信を持てずにいました。でも原作を読み進めていくうち、やりがいのある役なので、他の左ききの人が演じたら本当に悔しいと思うようになっていたんです。だからエレン役のオファーの話を聞いたときは、「やった!」ってとても嬉しかったです。もし他の人に決まっていたら、もう演じられないのに、SNSで「ここにも左ききがいますよ」ってアピールをめちゃくちゃしていたと思います(笑)。

Q. エレンを演じていかがですか?
天才ではあるけれど、人より突出しているところより、エレンの人間らしい面や、悩み苦しみのほうが、彼女のキャラクターを伝える上で大切だと思っています。エレンは亡くなったお父さんのことで心に傷を抱えていて、常にもがいています。その感情は天才だろうが凡人だろが、誰もが理解できるものなので丁寧に演じているつもりです。光一に抱いている感情も同じで、名前の通り彼はエレンにとって光そのものです。彼を思う瞬間、まるで被っていたフードを脱ぐかのようにエレンに光が差し込みます。まぶしい存在に対するエレンの気持ちというものも、彼女を演じる上で大切な要素だと思っています。

 
Q. 光一を演じる、神尾楓珠くんと共演しての感想は?
私より3歳年下ですけど、同級生という設定もしっくりきていますし、すごく素直なお芝居をされる方という印象です。光一はやる気を全身からみなぎらせている“熱血くん”です。とても整った顔立ちで、一見クールな印象を受ける神尾くんが演じることでかえって説得力や厚みが出る気がして。神尾くんが「ヨッシャー!」と頑張っている姿がとてもいいです。私もやる気を素直に表すのが苦手なので、光一みたいに表現できたらいいな、と羨ましくなります。

Q. エライザさんから見て、神尾くんはどんな方ですか?
実は私のお兄ちゃんに顔がとても似ているんです。こんなことを言ったら、お兄ちゃんの顔が格好良いって言っているみたいですけど(笑)、お兄ちゃんとお芝居をしているようで、変な感じがします。でも本当にそっくりで、現場の様子をインスタにアップしたとき、おばから「エライザと一緒に写っているのはお兄ちゃん?」とコメントが来たくらい。休憩中、話をしていても、「似ているな~」と思っているうちに終わっていて、「ごめん、なんだっけ」となるときがあります(笑)。

 
Q. 左ききでの苦労を聞かれることはよくあると思います。逆に左ききで良かったことを教えてください。
まずはエレンを演じられることです。ただ、私は殴るのは右手なんです。バットやボールの話ですよ(笑)。今回、光一を殴るシーンがあるので、そこだけはちょっと緊張しています。著名な文化人の中に左ききって結構多いんです。皆さんに親近感を抱けるのは左ききの特権じゃないですか(笑)。左ききは計算は苦手だけれど、空間認識能力は高い、と言われていて、私もそれは当てはまります。左ききの良さっていっぱいあるから過信してもいい気がするし、右ききは左脳が発達していて、左ききは右脳が発達している、ともいいます。右ききからすれば、左ききの発想はユニークだそうです。どうせなら右脳を使う人生を満喫したいと思っています。文章を書くときも、なるべく自分の感覚で大切にしているし、それがより右脳的だったらいいなと思っています。

Q. ポジティブですね。
大変なのは、はさみぐらい。先のほうで切ったり、奥の方の刃を使ったり。真ん中を使おうとすると、失敗しちゃうんです。高校生の頃、うまく切り分けられなくて、友だちに怒られこともあります(笑)。

 
Q. エライザさん実際、天才と呼ばれている人と対峙してのエピソードはありますか?
役者の世界でも天才と呼ばれている方はたくさんいます。みなさん、“瞬発力”がすごいです。本番直前まで雑談していたと思ったのに、パッと切り替えられる。何かに没頭できるまでの時間が短いんでしょうね。うらやましいなと指をくわえて見ています。私は器用ではないので、時間をかけて役に入り込まないと演じられないし、泣くシーンでもそこに自分なりの真実がないとダメなんです。「だって、そう思える理由がないと、涙がうそになってしまうでしょ」と思ってしまうタイプ。泣いたら泣いたで何時間も鼻をぐずぐずしているし、一度、役の心情を抱え込みすぎて、具合が悪くなってしまったこともあります。そこまでせず、一瞬のひらめきで見事に演じられる人が天才なのかもしれないです。でも、思うんですけど、天才だって努力はしている気がします。

Q. 「天才も努力する」ですか?
一見、飄々と器用に演じているかもしれません。でも裏の努力を見せていないだけじゃないか、と。努力を怠ったら、ただの“ユニークな人”で終わってしまいますから。私は天才じゃないですけど、努力は常にしていたいです。

Q. ご自身の中で、これは天才的と自慢できる部分はないですか?
集中力はもしかしたら高いかもしれません。楽器にしろ、絵画にしろ、歌にしろ、丸一日かけて取り組むのが全然苦じゃないので。音楽の面で才能があると褒めていただくことがありますが、母がシンガーだったのでレコーディングのとき、録っては聴き返して、また録って、という作業をずっと見てきました。それは努力でもあるし、一つのことをやり続けられる才能でもあります。そういうアーティスト気質みたいなものは、環境のおかげで備わったかもしれません。

Q. エライザさんは女優業だけでなく、歌やイラストなどが評判を呼び、2020年公開予定の映画「夏、至るころ」では監督を務めます。さまざまな分野で才能を発揮する、パワーの源は?
「どうせ世に出すなら、完璧なものを出したい」という思いでしょうか。SNSを始め、いまはどんなものも一生残ってしまいます。そうやって残るのなら、できる限り完璧でありたい、と。披露するために準備をして、さらに良くするために磨く時間が好きっていうのもあります。

Q. “完璧”って不可能に近いですよね。だからこそ目指すってとてもいいことだと思います。
私はハーフで、名前がエライザとインパクトがあるし、ビジュアルも派手なので、決して“正統派”じゃありません。人からの評価も、いろんなことを加味してのものじゃないか、と思うときもあります。だからと言って、「私は派手に見えますけど、違います!本当は地味でコツコツやるのが好きなんで!!」と主張するのは違う気がして。そうじゃない、池田エライザなりの努力の仕方、見せ方をずっと探しています。いつか“粋”に自分のやってきたことを披露できたらいいな、と思っています。

 
Q. 改めて「左ききのエレン」がどんなドラマになればいいと思っていますか?
光一とエレンだけでなく、ドラマに登場するひとり一人の個性がしっかり描かれています。それぞれの心情の描写も丁寧なので、ドラマのキャッチフレーズは「天才になれなかった全ての人へ」ですけど、才能に恵まれた人も恵まれなかった人も、ご覧になる全ての方の心に寄り添うドラマになってほしいです。

Q. ところでエライザさんといえば、auのCMへの加入が話題となりました。参加しての感想を教えてください。
このシリーズのCMは以前から完成されていると思っていました。その中に私が新たなキャラクターとして加わる必要があるのかな、と考えそうになったんです。でもそうではなくて、親ちゃんがいることでさらに面白いことができればと前向きに思うようにしました。出演者の皆さんも「いらっしゃい!」と温かく迎えてくださり、いろんなお話をする時間がありました。何よりうれしかったのが、auのCMに出て以来、小さい子どもたちから「親ちゃんだ!いいなって言っ!!」と声をかけてもらえるようになったんです。私にとっても幸せづくしのCMになりました。

Q. 子どもたちを笑顔にできるCMって素敵だと思います。
私がかぐちゃんたちを見守る母親っていう設定からしておもしろいですよね。これからも、「親ちゃんは何をしでかすんだろう」と視聴者の皆さんが楽しみな存在になれたらいいなと思っています。

ドラマ情報

MBS/TBS
ドラマイズム「左ききのエレン」
話題の同名コミックをドラマ化。自らの才能の限界に苦しみながらも、いつか“何者か”になることを夢見る朝倉光一。一方、圧倒的な芸術的才能に恵まれながらも、天才ゆえの苦悩と孤独を抱える山岸エレン。高校時代に運命的に出会ったふたりはやがて、大手広告代理店のデザイナー、ニューヨークを活動拠点とする画家として、それぞれの道を歩むことになるが…。凡才と天才、相対するふたりの敗北や挫折を通して、その先に「本当の自分」を発見するまでをリアルに描き出す青春群像劇。

放送日時
MBS 10月20日START 毎週日曜 24:50~
(初回放送は10月20日(日)25:15~)
*TBSは10月22日START 毎週火曜 25:28~

出演者
神尾楓珠、池田エライザ/石崎ひゅーい、中村ゆりか、今泉佑唯、吉村界人、田中真琴、久保田紗友/八木アリサ、丸山智己

原作
かっぴー/nifuni『左ききのエレン』(集英社「少年ジャンプ」連載中)
かっぴー『左ききのエレン』(cakes連載)

監督
後藤庸介

脚本
根本ノンジ、守口悠介

ドラマイズム「左ききのエレン」(番組公式ページ)

※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
この記事を書いた人
ウィルメディア編集部

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