映画『天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント』 ハーマン・ヴァスケ監督スペシャルインタビュー

取材記事,映画

 
「Why are you creative?」(あなたにとってクリエイティブとは何か?)
30年以上カメラとスケッチブックを片手にこの質問をし続け、答を追い求めてきた人物がいます。「BMW」「フォルクスワーゲン」といった世界的な一流企業のCM製作に携わり、ドキュメンタリー作家としても活躍する、ドイツ出身のハーマン・ヴァスケ監督です。ロンドンの名門広告代理店でクリエイティブなポジションにいたにも関わらず、クリエイティブとは一体何なのか?と疑問は膨らむばかり。考え抜いた果てにたどり着いたのが、いたってシンプルな質問「Why are you creative?」を世界の偉人たちに問いかける事でした。

取材は1,000人以上におよび、本作品中にもデヴィッド・ボウイ、ヴィヴィアン・ウェストウッド、クエンティン・タランティーノ、ダライ・ラマ、日本人では北野武やオノ・ヨーコなど、世界中の名だたるアーティスト、デザイナー、政治家などの超大物が多数登場し、クリエイティブについての自説を語っています。スティーブン・ホーキングは「科学の探求には創造性がなければならない」と訴え、ビョークは「それが普通なの」と彼女らしく応えるなど、語られる言葉やリアクションはまさに100人100色。

この映画には、今日と違う明日を生きてみたい人たちへのヒントが無数に散りばめられていて、誰もがそれを探しながら観てしまうことになるでしょう。

今回はハーマン・ヴァスケ監督が緊急来日するということで、偉人たちとの体験や監督自身の構想についてインタビューを試みました。

「躊躇するのではなく、とにかく行動に移す!誰からの承認も必要はないんだ。」

 
Q. この企画を始める前、もしくは開始してから特別に会いたいと思っていた人物はいましたか?
やはりデヴィッド・ボウイだね。彼と質問する私が背を向けて別々の方向を見ているあのシチュエーション。提案してみたらやってみようということになったんだけど、彼みたいな人だからこそ出来た事だと思うんだ。彼のように新しくて面白い発想をどんどん生み出すクリエイティブな存在がいなくなってしまったのは非常に残念だね…。

Q. 107名のインタビューのなかで、日本人で特に印象に残った人物はいらっしゃいましたか?
ヨージ・ヤマモトだね。クリエイティブな人とそうでない人の違いや、アーティストとしての宿命を話してくれたのだけれど、彼の分析はすごく深みがあって面白いと思ったよ。彼は世界でも最高のファッションデザイナーだと思うし、これだけ長く活動出来ていることもとても素晴らしい。今もヨージ・ヤマモトを着ているよ。

Q. とてもおしゃれなファッションだなと思いました。ヨージ・ヤマモトだったんですね。
彼の作った服を僕が着ることで、彼のメッセージを体現しているんだよ(笑)

 
Q. ヴァスケ監督から見た日本の印象を是非伺ってみたいのですが。
この扇子(筆者がプレゼントしたもの)のように広がる創造性が日本には溢れている。今回の映画のチラシや、デザインやポスター、ウェブサイトもそう。日本は予告編を変えていたりして、それがまた良くできている。京都の寺や文学、映画も素晴らしい。音楽だと坂本龍一もいるし、ファッション、デザインも優れている。トヨタやソニーなど日本の企業も工夫がたくさんあって、日本独自の視点を加えているね。食べ物や芸術もそう。和食は盛り付け方もすごく美しいし、料理の出し方も素晴らしいでしょ?他の国ではない特別なものがあって、そしておいしいよね。

Q. この映画は、監督が「クリエイティブとは何か?」を探す旅の大きな成果物だと思うのですが、ある種の到達点なのでしょうか?それともまだまだ通過点なのでしょうか?
このプロジェクトに終わりはないよ。実はこのプロジェクトには続きがあって、今回の「Why are we creative?」に対して「Why are we not creative?」という展開を考えている。我々の創造性を妨げる要因や敵はいったい何なのか?っていうことをテーマにした作品なんだ。敵をしっかり把握しておくことで、妨害をかいくぐってどうやって創造性につなげられるのかを知ろう、という意図。創造性を邪魔するものー それは政治だったり、あるいは恐怖、抑圧、生活不安なども大きな要因だけど、身近なところではSNSとか日々の沢山のメールなども要因になっていると思う。まずは気を散らしてしまう目の前のものからでも切り離して、朝2時間でもいいから自分だけの創造性に専念する時間や空間を創るってことが大事なんだと感じたよ。

Q. では日本でもその作品を見られる日がくるのですね!とても楽しみにしています!
そうだね、僕も楽しみにしているよ(笑)

Q. 監督のように大胆に行動することは多くの人にとって難しいことですが、この映画を通じてヴァスケ監督から何かメッセージはありますか?
誰でも慎重になるとなかなか行動に移せないものだと思う。周りの目を気にしたり、小心者の自分の声を聞いてしまって躊躇するのではなく、とにかく行動に移す!他人と違うことを恐れず、誰からの承認も必要はないんだという気持ちで取り組んでみてほしい。そして失敗を恐れず、失敗すらも大事な体験だっていうふうに受け止めることだね。今回の映画では多くの偉人たちに登場してもらっているけれど、各自様々な言い分があった。しかしひとつ共通して言えるのは、みんな自分は自分。他と違っていてもそれでいいんだって思っていたということ。周りから良し悪しの承認を求める必要もないっていうことがすごく鍵なんじゃないかなって思ったよ。

 
自身の経験や、そして偉人の言葉も交えながら力強いメッセージをくれたヴァスケ監督。
107人のインタビューを見終わったとき、きっとあなたも自身に問いかけるでしょう。「Why are you creative?」と。
この映画を、向こう見ずに自分の新たな一歩を踏み出す活力にしてほしいと願います。

 
終始とても力強く紳士的な監督で、最後に記念に一緒に撮影していただきました。次回作でまたお会いしたいです。

映画情報

映画『天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント』
10月12日(土)より公開


©2018 Emotional Network

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あらすじ
ドキュメンタリー作家として活躍するドイツ人監督ハーマン・ヴァスケがクリエイティブとは何か?の答えを探すため、世界の超大物に体当たり取材でアタックしていく。錚々たる偉人、有名人107人の答えからあなた自身の生きるヒントが見つかるかも。

監督/製作
ハーマン・ヴァスケ

出演
デヴィッド・ボウイ、クエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュ、ペドロ・アルモドバル、ビョーク、イザベル・ユペール、スティーヴン・ホーキング、マリーナ・アブラモヴィッチ、ヤーセル・アラファト、ボノ、ジョージ・ブッシュ、ウィレム・デフォー、ウンベルト・エーコ、ミハイル・ゴルバチョフ、ミヒャエル・ハネケ、ヴェルナー・ヘルツォーク、サミュエル・L・ジャクソン、アンジェリーナ・ジョリー、北野武、ジェフ・クーンズ、ダイアン・クルーガー、スパイク・リー、ネルソン・マンデラ、オノ・ヨーコ、プッシー・ライオット、その他大勢。

2018年/ドイツ/英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・日本語/88分/ビスタ/5.1ch/原題:Why Are We Creative?/日本語字幕:杉山緑/R15+/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム

映画『天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント』(公式サイト)

撮影・構成:近藤圭介/取材・文:秋山知永/通訳:伴野由里子

※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
この記事を書いた人
秋山知永/クリエイター/1985年埼玉県生まれ。
アウトドア、アパレル、飲食業界などを経験。のちにデザインのお仕事をしながらものづくりの道にすすみ現在にいたる。好奇心が止まらない見た目は大人、頭脳が子供のアラサー女子。ここから見える視点を誰かに届けられたら嬉しいー。

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