映画祭のFacebookにマンゴープリンの情報が殺到!?

 
『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞を総ナメにした中野量太監督が、中島京子の同名小説を映画化した映画『長いお別れ』。日本では絶賛公開中だが、この度、台湾で開催されている、第21回台北映画祭のアジアン・プリズム部門に正式出品され、中野量太監督が映画祭に参加した。
7月5日の第1回目の上映は、チケットがすぐにソールドアウト。囲み取材では現地報道陣から「台湾で好きな俳優はいますか?」と質問が飛び、「グイ・ルンメイが好きです」と答えた中野監督。この発言が、翌日の台湾の新聞に一面で掲載された。
上映後の舞台挨拶では、覚えたての中国語で「私の名前は中野量太です。マンゴーかき氷が食べたいです」と挨拶した中野監督。場内を笑いに包んだまま、質疑応答へ。
作品について「空画が特別印象に残る作品。空画が入るテンポがとても心地よかったのですが、意識しているのですか?」という質問があり、中野監督は「日本も含めて初めての質問です」と驚きながら、「意図的に行っているのではなく、編集のリズムでそうなっていった」と答えた。最後に「おいしいマンゴープリンのお店を教えてください」と話すと、再び会場は大爆笑。その後映画祭のFacebookには、おいしいお店情報のコメントが殺到した。

 
2回目の上映でもチケットはすぐにソールドアウト。中野監督の作品『チチを撮りに』『湯を沸かすほどの熱い愛』を観たという観客が2分の3を占め、中野監督の台湾での人気ぶりがうかがえた。質疑応答では、台湾ではまだ原作が発売されていないため、原作との相違点を聞く観客が多かった。
その後のサイン会も大行列で、上映チケットや台湾版チラシにサインを求める人や、中には『湯を沸かすほどの熱い愛』のポスターを持参した熱狂的なファンの姿も。
大盛況の中、会場を後にした中野監督。台湾では自国の映画がヒットせず、外国映画の上映がほとんどだという状況に、「台湾との合作映画を作りたいですね!グイ・ルンメイに出てもらって」と笑いながら話し、台湾映画祭を終えた。

 

映画情報
『長いお別れ』 絶賛公開中!

 
父の70歳の誕生日。久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実だった。それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいく。ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは――。
監督
中野量太
出演者
蒼井優/竹内結子/松原智恵子/山﨑努/北村有起哉/中村倫也/杉田雷麟/蒲田優惟人
脚本
中野量太/大野敏哉
原作
中島京子『長いお別れ』(文春文庫刊)
主題歌
優河「めぐる」
公式サイト

©2019『長いお別れ』製作委員会 ©中島京子/文藝春秋

※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす~く生きている。
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