Blu-rayBOX&DVD-BOXのリリースを記念し深川と高橋の対談をお届け

篠宮春子 役/深川麻衣さん
桜庭龍二 役/高橋和也さん


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
今年の1月クールに放送されたドラマ25『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京ほか)のBlu-rayBOX&DVD-BOXが6月26日(水)に発売。
本作は上明戸聡の同名著書を原案に、一発屋のポップス歌手と女性マネージャーが地方営業に出て、その旅先の“ボロ宿”を巡る物語が展開される。急死した父の芸能事務所を引き継いだマネージャー・篠宮春子役の深川麻衣と、一人だけ事務所に残った歌手・桜庭龍二役の高橋和也による“凸凹コンビ”ぶりは、回を重ねるごとに夫婦漫才のような面白さを発揮。歴史的価値があったり、驚くほど宿泊料が安かったり、毎回登場する実在の“ボロ宿”の味わい深い佇まいも見どころの一つだ。
今回は、Blu-rayBOX&DVD-BOXのリリースを記念して深川と高橋の対談をお届け。作品への思いや印象に残っているボロ宿など、貴重な撮影秘話を語ってもらった。
深川「現場で生まれたものを大事にしていました」
高橋「春子役が麻衣ちゃんでよかったなと思います」


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
Q. ご自身が演じたキャラクターの注目ポイントは?
深川 春子と龍二さんはCDを売るためにずっと一緒に旅をしている二人。マネージャーの春子は、龍二さんに対して結構キツい言い方をする時もあるのですが、その根底には龍二さんへの愛情やリスペクトが隠れています。一生懸命すぎるあまり、営業先で空回りすることも多いですけど、龍二さんを叱咤激励しつつ、ちょっと不器用な一面が垣間見えるギャップも楽しんでいただけたら嬉しいです。
高橋 龍二は、春子にいろいろ言われて落ち込んだり、ふてくされたり、時々甘えてみたり(笑)。春子に叱られながらも何だかんだ言うことを聞いて頑張るキャラクター。そういう中年の悲哀のようなものを感じさせる面白さが龍二の魅力なのかなと思っています。


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
Q. そんな二人の関係は実に微笑ましいですね。
高橋 最初はアドリブを言う時も必死で。
深川 頭の中でいろいろ考えながら演じていました。
高橋 次は何を言おうかなっていう手探りの状態。でも、段々と二人のアドリブもスムーズになってきました。
深川 そうなんです。春子として自然と出てくるようになってきました。
高橋 いい感じに丁々発止できるようになってきて、それに合わせるかのように春子からの責めも強くなってきました(笑)。
深川 龍二さんのことを、どんどんイジるようになっていきました(笑)。
高橋 今回の作品は、二人でバディムービーをやっているような気分。旅をしているから、景色も毎回変わるんですよ。その中で展開される春子と龍二のやりとりが見どころになってくるので、春子役が麻衣ちゃんでよかったなと思います。
深川 ありがとうございます。すごくうれしいです!
Q. アドリブは結構多かったんですか?
深川 ボロ宿のドアや扉を開けて「ギー」って鳴った時に龍二さんが言うひと言など、監督が「それ、いいですね」っていうものが結構使われていたと思います。
高橋 特に1話と12話を担当した藤井(道人)監督は、セリフを噛んじゃったり、言葉が詰まってしまったところを使ったりするんですよ。僕らは役者ですから台本に書かれている通りにしっかりと演じようとしますけど、ちゃんとできすぎていると逆にリアルじゃないってところもあって。そういう意味でいうと、失敗したところを使ってくださるのは自然な表現ができていていいのかなと思います。ただ、監督がそういうタッチを目指しているということを現場ではなく、OAを見て初めて知りました(笑)。


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Q. 本作は監督が5人、脚本家も4人。回によって違いはありましたか?
高橋 脚本によってタッチが違うなと感じました。3話と4話のたかせ(しゅうほう)監督は、春子と龍二の会話を重視するタイプ。だから、短い会話がテンポ良く展開していくんです。とにかく、2日で一本撮るというペースだったので、考えているヒマがない。
深川 撮影までに時間があったりすると、自分の中でいろいろ考えすぎてしまうこともあるんですけど、今回はそんな余裕がなくて。もちろんセリフは覚えていきますが、後は現場で監督や高橋さんと話し合いながら、そこで生まれたものを大事にしていました。
高橋 何しろ、1ヵ月で12本ですから。
深川 かなり鍛えられました(笑)。


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
Q. 全体的に画面の色合いが印象的だなと思いました。
深川 ちょっとフィルターがかかった感じの色合いでしたよね。
高橋 照明さんが、できるだけ自然光に近い状態で撮影をしたいとおっしゃっていたんです。幸いなことに、今回の現場は天気の運が良かったんですよ。
深川 天気に泣かされることはなかったです。
高橋 自然光にはたっぷり恵まれました(笑)。おかげでボロ宿の雰囲気がそのまま画面に出ていて、それが一つの味になっているような気がします。照明は技師さんと助手の方の2人体制。ナイトシーンでは印象的なタッチをつけたり、シーンごとに瞬時に対応してくださって、とても素敵な“画”が撮れたと思います。
Q. 全編通して印象に残っているボロ宿は?
深川 どの宿も個性がそれぞれあって印象的でしたが、なかでも千葉県の佐原にある木の下旅館(第5話)。千葉にそういう場所があるということを知りませんでした。劇中と同じように今は宿泊できないのですが、定食屋さんとして営業していて、地元の方がよくとんかつを食べに来るんです。
高橋 あのとんかつ、マジでうまいよね。
深川 美味しかったです!
Q. 劇中に出てくる料理は、実際にその宿で出しているメニューなんですよね?
深川 お膳のようなものやカレーだったり、実際にその宿の方が作ってくださったものを食べていました。決してドラマ用の料理ではないんです。
Q. 第6話の民宿で出てきたお刺身は、とても美味しそうでした。
高橋 銚子の海の前で漁れる魚ですからどれも新鮮。身もプリプリしていました。
深川 劇中で食べたお料理は、どれも美味しかったです。
高橋 印象的な場所はたくさんあって、どこも思い出がありますね。長野県の千曲市で泊まった戸倉ホテル(第8話)も良かったですし、この回は春子と龍二が上山田温泉のスナック街に行くんですよ。龍二はただ酒を飲みに行ったんですけど、春子の策略によってCDの営業をするハメになって(笑)。実際にいたお客さんの前で「旅人」を歌ったのでものすごく臨場感がありました。結局、スナック街にあるお店を全部回りましたからね。その時に初めて春子が酔っ払ったんですけど、ふだん褒めない彼女が龍二のことを褒めるんですよ。「龍二さんの歌にはドラマがある。そんな歌手はいない」って。春子の龍二への思いが分かるシーンだったので印象に残っています。酔いつぶれた春子を龍二が背負ってスナック街を歩くところも個人的には好きですね。


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Q. 龍二が歌う「旅人」は一度聴いたら忘れられないフレーズが魅力ですね。
高橋 実は名曲ですよ(笑)。デモテープをいただいた3日後にはもう撮影が始まるという状況の中、振り付けも考えないといけなくて。結構、いろんな場所で歌いましたね。
深川 毎回、生歌でしたもんね。
高橋 しょぼいスピーカーから流れてくる音楽をバックにちゃんと歌うんです。歌えば歌うほど愛着が湧いてきて、本当に売りたくなってきました(笑)。
深川 「旅人」をカラオケに入れてほしいです。
高橋 それ、いいねぇ。
深川 もし入ったら、絶対歌います!
高橋 振り付きで歌ってくれたらうれしいですね。本気でCD化を狙っています(笑)。
Q. ドラマは全12話でしたけど、第2弾、第3弾への期待は?
高橋 今回は割と東日本が中心だったんですよ。スケジュール的な理由もありましたからね。西日本もそうですし、北海道、九州、四国、沖縄、全国各地にはまだまだボロ宿がたくさんあると思うので夢は広がります。
深川 ドラマはコメディーとして描かれていますけど、実際はすごく切ない話だったりもして。でも、春子と龍二の一生懸命さが報われるような瞬間もあるんです。きっとこれからも二人三脚で旅をしていくんだろうなと思うので、またいろんなボロ宿に泊まることができたらいいですね。


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
Q. 最後にDVDならではの「特典映像」の見どころを!
高橋 “桜庭龍二の「旅人」振付講座”を見て、ぜひ振りを覚えてほしいですね。クランクインの3日前ぐらいに僕が家の鏡を見ながら考えたんです。ドラマの前半では営業中にトラブルを起こしたりして、なかなか歌の全貌が見えて来ないんですよ。でも、ようやく第5話でPVを作ろうっていう話になって。
深川 龍二さんの歌をちゃんと聴けるんですよね。私は、あの回が大好きです。
高橋 振りをマスターして、踊りながら「旅人」を歌ってほしいですね。
Q. “深川麻衣の休日”というタイトルの内容も気になります。
深川 私のプライベート旅に密着しているような映像になっています。
高橋 春子としてじゃなくて、麻衣ちゃんとしてボロ宿に行ったりするの?
深川 それは見てのお楽しみです…(笑)。日本には、まだまだ古き良き面白い場所がたくさんあるんだということを皆さんにご紹介できたらいいなと思っています。

Blu-rayBOX&DVD-BOX
『日本ボロ宿紀行』6月26日発売
https://www.tv-tokyo.co.jp/boroyado/dvd/


©「日本ボロ宿紀行」製作委員会

 
あらすじ
篠宮春子(深川麻衣)27歳は、父・一平が急死したことにより芸能事務所スプリングロールを引き継ぐことに。しかし、所属していたタレントはほとんど辞めてしまい、残ったのは48歳の一発屋ポップス歌手・桜庭龍二(高橋和也)だけだった。かつて大ヒットしたものの大量に売れ残ったCDを売り切るため、二人はスーツケース一つで地方営業の旅に出る事に。地方で出会う各地の“ボロ宿”を巡りながら、春子はやる気はないがプライドだけは高い龍二を、もう一度人気歌手にするため奮闘する。
出演
深川麻衣、高橋和也
原案
上明戸聡『日本ボロ宿紀行』(鉄人社)
演出
藤井道人、たかせしゅうほう、逢坂元、原廣利、アベラヒデノブ
脚本
田口佳宏、和田清人、たかせしゅうほう、佐渡ツムジ

©「日本ボロ宿紀行」製作委員会
取材・文:小池貴之

※この記事はauテレビでも掲載されました。
http://sp.tvez.jp/(スマートフォン向けサイトです)
この記事を書いた人
ウィルメディア編集部
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