バレエ史に燦然と輝くヌレエフの光と影

 
ハリー・ポッターシリーズをはじめ『シンドラーのリスト』『グランド・ブタペスト・ホテル』など、数々の名作の出演でしられるレイフ・ファインズ監督・出演の『THE WHITE CROW(原題)』を、邦題『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』として、今年5月に、TOHOシネマズ シャンテ、シネクイント、新宿武蔵野館ほかで全国ロードショーが決定。
俳優としても評価の高いレイフ・ファインズ監督が構想20年を経て、満を持して発表する最新作は、伝説のダンサー、ルドルフ・ヌレエフの若き日からパリでの亡命にいたるまでを映像化。世界三大バレエ団で活躍し、バレエ史に燦然と輝くヌレエフの光と影を見事に描いている。
主演にはオーディションによって見出された現役のタタール劇場のプリンシパル、オレグ・イヴェンコを抜擢。共演は『アデル、ブルーは熱い色』のアデル・エグザルホプロス、そして『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』のヒットも記憶に新しい、バレエ界の異端児セルゲイ・ポルーニンを起用し、本物のバレエダンサーたちによってバレエ界のリアルな様子も描かれている。
ファインズ監督が「自分たちの人生を投入して作った映画」と語る力作。早くも公開が期待されている。

映画情報
踊り続けたい。ただそれだけ。
『ホワイト・クロウ 伝説のダンサー』
5月、TOHOシネマズ シャンテ、シネクイント、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
ひとりの若者が、黒いベレー帽に黒っぽい細身のスーツ姿で、レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)からパリへ向かう飛行機の中にいる。
時は1961年。ルドルフ・ヌレエフ(オレグ・イヴェンコ)はまだ伝説のダンサーでもなければ、尊大な人間にもなっていなかった。世界に名だたるキーロフ・バレエ(現マリインスキー・バレエ)の一員として、海外公演のために彼は生まれて初めて祖国ソ連を出た。
若きヌレエフはパリの生活に魅せられ、この魅惑の街で得られる文化、芸術、音楽のすべてを貪欲に吸収しようとしていた。だが、その一挙一動はKGBの職員に監視されていた。やがてフランス人女性クララ・サン(アデル・エグザルホプロス)と親密になるが、その一連の行動により、政府からの疑惑の目はますます強まる。その後、ヌレエフは信じがたい要求をつきつけられ、苦渋の決断を迫られる。
それは、収容所に連行され、踊りを続けることすらままならない未来を暗示するものだった。1961年6月16日パリ、ル・ブルジェ空港。他の団員たちがロンドンへ旅立ち、KGBと共に空港に残されたヌレエフがくだした決断とはーー
・監督:レイフ・ファインズ
・脚本:デヴィッド・ヘアー『めぐりあう時間たち』『愛を読むひと』
・出演:オレグ・イヴェンコ/セルゲイ・ポルーニン『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』/アデル・エグザルホプロス『アデル、ブルーは熱い色』/ルイス・ホフマン 『ヒトラーの忘れもの』/チュルパン・ハマートヴァ『グッバイ、レーニン! 』/ラファエル・ペルソナ 『黒いスーツを着た男』/レイフ・ファインズ 『シンドラーのリスト』 『イングリッシュ・ペイシェント』
・配給:キノフィルムズ/木下グループ

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※この記事はauテレビでも掲載されました。
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この記事を書いた人
栗林 勝/編集者/1970年東京都生まれ。
専修大学英文科を卒業後、20年ほどアダルト・サブカル系出版社で、雑誌・書籍・ウェブ編集を経験。広く、浅く、安く、をモットーにうす〜く生きている。
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