ビルボードカフェとは?

「音楽と心地よい時間へのこだわり」をテーマにしたCAFE&DININGが日比谷ミッドタウンにオープンしました。正式名称は「Billboard cafe & dining produced by Billboard Live」で、このカフェをプロデュースしたのは一流アーティストの演奏を目の前で食事しながら楽しめる大人のライブハウス、あの「ビルボードライブ」ということです。
お店について調べましたら、お店全体がオーディオにこだわっており、メインフロアでは高級オーディオシステムによる上質なサウンドで、様々なプレイリストをリクエストして楽しめるほか、4つの個室があり、それぞれの部屋に備えられた部屋ごとに異なるオーディオシステムを自由に操作して楽しめるということです。先週末に友人4名と体験してまいりました。

USENが提供するミュージックアプリ「OTORAKU」とは?

個室にはUSENが提供する音楽再生アプリ「OTORAKU」なるものがあるという触れ込みですが、その「OTORAKU」がどういうものかわかりません。こちらが気にすることはどこまでマイナーなアーティストまでその「OTORAKU」を使って再生できるのかということですが、結論から言いますと、こちらで選べるのはプレイリストのみです。アーティストや楽曲名で検索してプレイできる「デンモク」のようなものを想像していましたが全く違いました。好きな音楽をかけるためにはCDをお持ちくださいとのことです。

BOX4 TOAルームの音は

B&Oの部屋やハーマンの部屋(スピーカーはレヴェルオーディオ、アンプはマークレビンソン)、またはテクニクスのアナログルームなどもあるのですが、今回空いていたのはBOX4、TOAという部屋です。TOAはPAなどプロ用機器のメーカーです。
自分は楽曲をCD-ROMに焼いて持っていき、友人たちはCDを持ってきましたが、こちらも結論から言いますとCD持参が良い選択でした。
まず、こちらのオーディオシステムについてお話しますと、ソースの音の差が驚くほど鮮明に出る現代業務用システムだと思いました。自分が持参したCD-ROMは家のシステムではまあまあの音で聴けるのですが、こちらのシステム聴きますと情報量の少なさをリアルに感じてしまいます。CDをかけるとディスクによりクオリティの差はありますが、それなりの音質で聴けます。
贅沢を言うのであれば、部屋自体がオーディオルームとして反射・吸音など考えられてないように思います。もう少し壁の反射を減らすなど音響を考えられた設計だともっと良い音に感じるのにと思います。それでも「エリカ・バドゥ」など録音に優れたディスクをかけると目がさめるほどリアルな音で再生されます。

こちらの料理は

カフェ&バーとしては、メニューはとても少ないし、盛りつけは寂しいし、価格設定は強気。飲食だけで言うならリーズナブルの対局に位置するお店と言えるでしょう。オーダーしたフードは選択肢が少ないため、パスタ(それなり)とフライドチキン(まあまあ美味しい)を何度かオーダーしました。お酒についてはショットは割高ですが、居酒屋でなくバーと考えれば普通の値段と言えるでしょう。ワインはボトルを入れてしまえばリーズナブルです。
そう、こちらのお店は日比谷ミッドタウンの中にある、音楽や雰囲気をトータルに楽しむ広めのバーなのです。音楽のお供としてアルコールがあり、アルコールのお供としてのスナックがあればよいのです。
次回はどこかで食べてからこちらに入店しようという話になりましたが、それもめんどくさいので来年もこのフライドチキンを食べることになるのでしょうか。

このお店の楽しみ方

楽しみ方はどんな音楽を持っていくかということになりますが、この店での会を主催した自分としては聴く人を考えた選曲をして持参しました。飲みはじめの近況報告のBGMとして楽器の音が良い近代ボサノバ「イリアーヌ・イリアス」とか、話の種としてブラジルのドナルド・フェイゲンと言われる「ED MOTTA」とか、その他紹介したい楽曲を選びましたが、他の人はストレートに自分が聴きたいCDを持ってきました。お酒が回ってきたあたりからカラオケと同じような展開、つまりは自分の聴きたい曲を大音量で順番にかけていくという流れになります。そう考えると、自分が聞きたい楽曲を持っていくのが基本ですが、自分のように情報として紹介するとか、本当に楽しみ方は自由です。ただ、前回はUKロック好きの女性が参加していて、その人の好きな曲をプレイしているときはちょっとモードが変わってしまうので、音楽的な趣味・嗜好が近い知り合いが集まるほうが良い盛り上がりになると思います。
参加者が思い思いに好きな音楽を順番にかけるというのが基本ではありますが、テーマを決めた試聴会を仲間内で開催するのも楽しいかもしれないと思いました。またはライブ盤を最後まで通しで大音量で視聴する会とか、そんなのも良いかもしれません。MC入りのさだまさしライブ試聴会とかファンが集まれば盛り上がりそうです。

利用時間に関して

個室予約の際の原則的な利用時間は原則2時間ですが、次の予約がなければ部屋を使い続けられます。こちら22時がラストオーダーなので、20時スタートにして閉店まで粘りましたが十分に楽しめます。

まとめ

昔は誰かの家で一晩中好きな音楽をかけたり映像を見たりしていましたが、それぞれが家庭をもったりで、そういうたまり場・隠れ家は無くなってしまいました。このカフェはまるで誰かの部屋に集まってワイワイ盛り上がる楽しさがあります。
そういう意味ではこの手のコンセプトの店が増えると良いなと思いました。このお店みたく店舗自体にコストを掛けずとも、カラオケみたいな部屋でCD持ち込んだり、スマホから音源飛ばして聴ける部屋があれば良いなーと思いました。そういう居酒屋の個室があれば流行ると思います。

この記事を書いた人
近藤圭介/デザイナー・アートディレクター
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業後、広告代理店に勤務しCMプランニングなどをしていたが、その頃には珍しかったMachintoshがある制作会社へ移動。グラフィックはじめ店舗開発や商品企画などいろいろなデザインに携わる。

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