オフィスの場所は新橋ですが、新橋といえばまず中華料理の激戦区です。おすすめの中華を多数紹介したいところですが、普通にグルメレポートをしても仕方がないので、撮影やその後の調整方法をからめて紹介してみようかと思います。
 

お店について

まずはじめに自分の麻婆豆腐の好みについてお話しますと、本格四川に対するこだわりはありません。昔の麻婆豆腐といえばラーメンスープにひき肉と豆腐を入れて片栗粉でとじたようなものが多く、本格四川が登場した頃にはそのインパクトに一度はハマると同時に、今までの麻婆豆腐は何だったんだと思ったりもしました。
しかし、何度も食べているうちに本格四川麻婆豆腐は花椒が効きすぎていたり、味が濃かったりと、インパクトは強いのですが味が強すぎて食べ疲れするようになりました。四川という地域はとても寒く、そのために辛く体が温まる料理が発展したと言われていますので、現地の料理はもっと強いのかもしれません。
そのうちに、昔ながらの日本式や家庭式の大衆麻婆豆腐もいいし、日本人に合わせてローカライズされた刺激の強すぎない「四川風」も中間的でいいなと思うようになりました。
新橋には「味覚」さんとか「重慶府」さんとか、本格四川料理の店が多数あリますが、私が今回紹介するのはこちらの「桃花源」さんです。「桃花源」さんは銀座グランドホテル2Fというロケーションでもあるので、 ホテル中華とも言えるわけです。こちらは四川料理を謳っていながら幅広い客層を迎えるホテル仕様ということで食べやすさが加えられています。
新橋周辺で美味しい麻婆豆腐を食べたいという人に、自分が一番におすすめできるお店です。
 

カメラについて

使用しましたデジカメはPanasonic Lumix LX100です。最近購入したのですが、何故このカメラを選んだかや使用感などもそのうちレビュー記事にしようかと思っています。
イマドキのカメラの能力は優れているので、一番の上達法はカメラの説明書をよく読み、そのカメラの機能を知ることだと思います。いろいろ試して自分好みの設定を探しておくことが大事です。カメラによっては、全ての設定をフルオートにできるモードもありますので、まずはそれからでも構いません。
カメラは今やデジタル機器ですから、アナログ時代のように絞りや露出の基本を覚えなくてもそれなりの写真が撮影できます。ただ、最低限の知識はあったほうが人と違った写真、意図した演出などを加えることが出来ます。
一つだけ言うとすれば、絞りを設定できるカメラであれば、絞りを自動でなく一番小さな数値(開放)にしておくと背景がボケます。これだけでも覚えればちょっと今までと違う写真がとれます。
 

撮影について

まず料理全体を撮るとこんな感じです。組み合わせで撮るか、メイン料理に寄るか考えます。
今回はRAWモードで撮影してあとで調整、と思っているため、カメラの設定はほぼ標準状態です。
RAWについての解説は省きますが、簡単に言えば撮影後に何とかできるモードがあるということです。

 
 
セットとしての豪華さより、麻婆豆腐のシズル感をテーマにしたい、と自分は思ったので寄ってみます。
寄ると言っても、カメラを直接料理に近づけるよりズームを使ったほうが良いです。
広角のまま寄ると迫力はありますが、お皿の形など全体的に歪んでしまうので。
あとピント設定を中央1点にしておいたほうが、変なところにピントが合わず良いでしょう。

 
 
シンメトリーな構図は面白みがないので、アンバランスにしてみます。
数枚撮ってみて、プレビューでチェックします。

ある程度撮影ができたと思ったら、カメラをしまい冷めないうちに料理を頂きます。
 

RAWで現像

PCにカメラをつなぎファイルを移したら、一緒に撮影したJPGで候補を選びます。この時選ぶポイントはRAW撮影の場合色は何とでもなるので、構図と意図したところにピントが来ているかを重視します。
RAWファイルを開いた状態です。大抵のデジカメにRAW現像ソフトは同梱されていると思います。自分はAdobe Photoshopで開きましたがLightroomと同等な感じでしょうか。

 
 
自動調整を選択するとこんな感じになります。

  • 露光量:+0.31
  • コントラスト:-17
  • ハイライト:-51
  • シャドウ:+28
  • 白レベル:+26
  • 黒レベル:-21
  • 明瞭度:+47
  • 自然な彩度:+19
  • 彩度:+4

元よりは良い感じですが、自分の意図する麻婆豆腐ではないので、リセットして手動でスライダを操作することにします。
 
 
手動操作に切り替えますが、自分は以下の項目を操作することが多いです。露光量は明るを調整できるので暗いときや明るいとき、または意図的に明暗どちらかに寄せたいときに動かします。コントラストや白・黒レベルは濃淡によるくっきり感を調整できるのでプラスしてみることが多いです。濃淡を変えず明瞭にしたい時は明瞭度をプラスします。彩度は足せば鮮やかな写真になり、引けば渋い色の遠い記憶の中の心象風景のようになるので、意図に合わせてどちら方向にも使えます。今回は色温度は使いませんでしたが、全体のカラートーン(ホワイトバランス)が調整でき、まさに温度感が変わるので、これだけで目的の雰囲気が得られることもあり、必要があれば使います。

  • 露光量:+0.5
  • コントラスト:+53
  • 白レベル:+3
  • 黒レベル:+32
  • 明瞭度:+47
  • 彩度:+39

 
 
で、この写真です。

 
 
この状態でも良いのですが、さらにPhotoshopの覆い焼きを使って、麻婆豆腐の右半分を範囲:中間調、露光量:50%で少しハイライトを作り、左半分を覆い焼きを使って範囲:中間調、露光量:50%で焼き込みます。

その理由は、レストランの照明は真上から均等に来る場合が多く、料理に立体感が出にくいので、だったら作ってしまえということです。
 
 
ここからさらにトリミングして、トップで使用している写真になります。

元の状態から流れで見ると写真いじり過ぎじゃないの?と思われる方がいるかもしれませんが、はじめにトップの写真を見た時にまず美味しそう、と思った人も大勢いると思います。それは、自分好みのイメージ、つまり自分が美味しいと思う麻婆豆腐に調整したからです。
 

まとめ

特にカメラ好きの方には作為のない自然な階調の写真を好む人も少なくないとは思いますが、自分は自分好みの写真に仕上げるために、後処理も含めどんなことをしても良いと思っています。インスタなんて加工フィルターも多く、後処理に抵抗のない人も世の中には多いので、写真も自分好みの世界を自由な手法で表現すれば良いと思っていますし、自分にとって今の時代の写真はカメラを使って描く絵ぐらいに思っています。
皆さんも思い思いの撮影法や加工法を見つけて楽しんでみてはどうでしょうか?

この記事を書いた人
近藤圭介/デザイナー・アートディレクター
多摩美術大学グラフィックデザイン卒業後、広告代理店に勤務しCMプランニングなどをしていたが、その頃には珍しかったMachintoshがある制作会社へ移動。グラフィックはじめ店舗開発や商品企画などいろいろなデザインに携わる。

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